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10年目の優勝

剣西舘で指導するようになってから10年が過ぎ、色々な人に巡り合い、助けて頂きながら今まで続けてこられた事に感謝しています。

稽古は大人子供同じようにいつも真剣だからとても厳しい先生と思われていた事でしようね。
立ち上げ当初は運よく多くの幼稚園生が入ってくれ、活気もあったし、思い出深いですね。

一生懸命稽古する子、センスの良い子、不器用だけど可愛い子など色々で楽しかったですね。
教え子全員に優勝してほしいと本気で思うから稽古も厳しくなる。
子供たちもそれに答えて良い結果を残してくれる。

でも、指導者にとって子供たちの試合は時に酷だと感じる事がありますね。
教え子同士が試合で対戦する。
それが決勝戦だとなおさら辛いものです。

「ライバルは宝物」と私は感じていましたが、指導的立場になるとバランス良く優勝してくれたらなぁ、とも思う事がありましたね。

私の厳しい稽古にもいつも気を抜かず真正面から取り組み、交換日記もいつもしっかり書いてくる子がいました。
基本の部では同じ道場の子に負け準優勝。
三年生からは剣道具を付けての試合になる。
優勝した同じ道場の子は親の転勤で移動してしまったので、これからは彼が優勝できると期待したけど、やはり他の道場の子も力を付けて、入賞はするものの小学生時代は優勝出来ずにいた。

真面目で一生懸命なだけに一度でいいから優勝させてあげたかった。
私の指導が劣っているからこの子に優勝を味あわせてあげられなかったと、小学校を卒業する時に彼に謝った。

でも、その子はにこにこして「私は先生に剣道ならって幸せでした」と言ってくれた。
中学に入るともちろん剣道部に入ったので、こちらの稽古には参加できなくなったけど、彼は時間を見つけては時折稽古に来てくれた。

稽古する度毎に成長している、正しい剣道が身についている。
幼稚園から見て来ただけに立派になる姿は嬉しかった。
今指導されている先生に心からありがとうございますとお礼が言いたい。
今は親心ですね。

渋谷区の試合には学校の行儀が重ならなければ参加してくれていた。
強くはなっていたけど一、二年生の時は強い子がいて壁となり優勝できずにいた。
彼は三年生になり体つきもしっかりしてきて、稽古をすると剣道にも力強さがついてきた。
子供から大人の剣道に切り替わったと私は感じましたね。

試合を見ていると体の成長以上に、精神面の成長に驚かされました。

今までは弱い相手でも一本取られると慌てて、焦ってしまい墓穴を掘ってしまう事があったが、今回は一本取られても全く動じず、堂々として攻めて勝って打つ!
「あの小さな子が今立派に試合して勝っている」私は胸が熱くなってきた。

そして優勝した。

閉会式を済ませ、彼が挨拶に来た。
「やっと優勝する事が出来ました」と言葉にした。
「初優勝だね、よく諦めずに頑張ったね」
「先生本当に有難うございました」
彼は私に大きな賞状をくれたみたいだった。

この優勝は簡単で無かった事は全て知っている。
その都度強いライバルが目の前に現れたけど、今こうして金メダルを握る手が嬉しくて震えている。

10年目の優勝おめでとう

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